WUDC2018 メキシコワールズ感想

 

 メキシコで開催されたWUDC3年の近藤尚哉(通称まっち)と4年の北田瑞希(通称みっきー)の2人が参加しました。以下、帰りのメキシコから成田に向かうフライトで2人で書いたWUDCの記録になります。

 まっち「2人の初の共同作業!?(ニヤリ)」

 みっきー「それってディベートじゃね?(キリッ)」

 

目次

1.大会前の準備(ディベート編)

2.実際にWUDCに参加して感じたこと

3.ラウンドごとの記録

4.持って行くべきだな、と思ったもの

5.一番の思い出

6.最後にひとこと

 

1.大会前の準備(ディベート編)

  二人ともそれぞれ卒論と就職活動で忙しかったため、二人そろっての練習は朝練1時間を週に二日やってました。あとは国内大会に出場したときに課題を発見して改善してという感じです。個人的な練習としては、近藤は通学時間・授業の間とかはできるだけ音源聞くようにしたり、家にいるときに前にやったモーションで「もっとこういえたな~」という部分を口に出したりしてました。北田は1年生からの積み重ねてきた様々な媒体のマターファイルやレクチャーの内容を整理したり(主に加藤さんレクチャー、みつしさんレクチャー、今井さんとのリサーチ、過去いろんな人と大会出る際にプレパしてまとめた内容など)、いろいろなモーションをプレパしなおしてわからないところを調べたり(横山さんのブログにまとめられている(Novice WESTの寄稿文でもある)やり方で)、当日口が回るようにシャーミラ、バレリー、有元さんのスピーチでシャドーイングしたりしてました。

 Japan BPに出場して以来、二人で練習した時間は皆無だったのがよくなかったなあという反省を後からしましたとさ・・・。

 

2.実際にWUDCに参加して感じたこと

 主張として成立しているか・相手との比較を踏まえた上で自分サイドの優位性を証明できているかという判断の基準が国内・アジア大会以上に厳しいという印象を受けました。

自分的には十分な話ができていると感じていても、ジャッジから「アイデアどまりでsubstantiateできてなかった」という判断を下されたことが、負けたラウンドでは特に、多かったです。おそらく英語感覚の差から来るものと自分は思ったので、その言語を母国語とする人が聞いても違和感なく納得できる主張にまで深められているのか自分の中で突き詰める意識を持つと良いと思います。

 また、北田としては、英語弱者だけれどちゃんと伝わっているし、他3チームがアメリカ、ロンドン、オーストラリアとネイティブのラウンドでも対等にわたりあえてると感じられた一方で、そんなにはやくしゃべっていたわけでもないのに「スピーチがはやくてわからなかった」と言われ、おそらく、発音、表現、ストラクチャー、話のわかりやすさが著しく損なわれた結果だったのだろうと感じました。こつこつ努力してきたつもりでも、もっと丁寧にそこらへんを意識すべきだったなと感じました。

 

3.ラウンドごとの記録

R1

This House Would ban all communication tech companies (such as Google, Apple, Facebook, Whatsapp, etc.) from encrypting their users data including the content of their communications, in such a way that the company cannot retrieve the data even under a court order.

This House Would ban all communication tech companies (such as Google, Apple, Facebook, Whatsapp, etc.) from encrypting their users data including the content of their communications, in such a way that the company cannot retrieve the data even under a court order.

ポジション:OO

結果:4

感想:Govベンチ「これができないと捜査すすまないよ!」Opp「ある程度その他のやり方で捜査できてるよ!それより顧客のプライバシー守ったり会社の利益守るほうが大事だよ!」といった感じのディベートでした。極端な表現をしてしまったことと、それによって相手との比較を疎かにしてしまったことが反省点です。相手への反論以降相手のメリットを完全に消した(モーションとらなくても操作できるし、そもそも現状テロリストとかはハイテクな技術で自分たちのツール持ってるからあまりBenefitないし、むしろUndergroundといった感じ)という前提で話をすすめてしまいましたが、結果としてはそこが切りきれていなかったために、なぜOppがベターなのかわからないという状態になってしまいました。

 

R2

Info Slide: For the purpose of this debate, “job security legislation” refers to laws intended to make business fire employees less often. Its goal is to disincentives the termination of existing employees, whether the business employs an alternative individual to replace them or not.

Examples of this legislation include, but are not limited to, increased severance pay and detailed requirements for terminating employment, collections against discriminatory termination or similar laws do not fall under this term.

 

This House Supports job security legislation.

ポジション:CO

結果:4

感想:OOの話が分からなかったです。ラウンドの話の流れ、Issueの変化がよく見えていなかったです。ラウンドのまとめを書こうにも書けないほどラウンドの内容を理解できていないです。自分たちとしては、「OOは~って言ってたし、OGCGもなんか雰囲気~な話だったからCOからこれ言おう!」とエクステンションを立てたはずだったのですが、ジャッジからのRFDは「それOOから出てたよ」。チーン。

 

R3

Info Slide:The current criterion in the US as to whether a police officer used excessive force is whether the acted reasonably given his perspective at the time and without the benefit of hindsight.

Academic research has shown that when using this criterion, juries consistently conclude that officers harming or killing black individuals acted reasonably in almost all circumstances.

 

This House Would redefine the criterion for excessive force in the US to be any use of beyond what is reasonable given all the facts of the case, including the benefits of hindsight (e.g. whether the individual had a gun, not whether it was reasonable to believe he had a gun.)

ポジション:OG

結果:1

感想:0点ラウンドだったこともある、基本的な話をしたら1位だったという感じです。一応R1の反省を活かして、相手が話した弊害が100%起こるとしてもGovの方がベターという主張を立てたのが良かったのかもしれません。

 

R4

Info Slide: The art that you see in a museum typically comes from one of the following sources: i) that museum’s permanent collection that is always on display; ii) that museum’s permanent collection that is mostly kept in storage and may occasionally be displayed (the largest museums usually display as little as 5% of their collections); iii) pieces lent to that museum on a temporary basis by another museum; iv) pieces donated or lent by private individuals or institutions.

 

This house would limit the amount of time that a museum can display a given piece of art to 3 months out of every 10 year period, rather than allow museums to display their works as long as they choose.

ポジション:CG

結果:4

感想:OpeningではGovが作品のローテーションが起こってそれがsmall museumやその地域に住んでいる人々にとってbeneficialOppが「でかいmuseum損じゃん!」ていう話をしてたので、自分たちは「何でmuseumbenefitよりGovが出したメリットのほうが優先されるべきか」という話を出しました。

自分たちなりに十分な理由付けを行っていたのですが、ジャッジからは「分析投げてただけで、なんでその話が主張の明確な理由になるのかわからなかった」といわれました。ちーん。

 

R5

This house would allow citizens to vote on individual bills in place of their elected representative, with the representative retaining the voting power of those of their constituents who did not directly vote on that specific bill.

ポジション:CO

結果:1

感想:モーション解釈がチーム間で割れ、ほとんどプレパできないままラウンドに突入しました。笑

ジャッジが話してる時間とかオープニングの間に話考えまくって、「Govが出した問題はこのモーションとミスマッチだしむしろ逆効果。政治家の役割とかインセンティブ考えたら一定期間一任するべき」みたいな話をして、ちゃんとpracticalな分析まで落とし込めていた(らしい)ので1位取れました。いぇい。

 

R6

 Info Slide: CRISPR is currently the only existing technology that allows cheap, fast and targeted gene edition in living organisms. It potentially allows for heritable* changes, though so far very little research on such heritable changes in humans has occurred.

* heritable changes are changes that can be passed on from parents to their children.

 

This house believes that all states should mandate that research on and use of CRISPR technology be exclusively carried out by institutions funded entirely by the state.

ポジション:OG

結果:4

感想:研究分野にprofit seekerが介入することの問題点をがんばって出しましたが、ユニークにCRISPRに関して何がやばいのかを説明できていませんでした。また、この部分にOOから強いrebuttalが来ていたのに返しきれなかったのも敗因だと思います。

 

R7

This house, as Iran, would cease all support for militant groups in the Middle East (e.g. Hezbollah, Hamas, Houthis, etc.).

ポジション:OO

結果:4

感想:「わかんねーwww」って言ってたらプレパ終わりました。

結局適当に「ちゃいなー、ろしあー」って連呼してたんですけど普通に負けてました。まだRFD聞けてないですが、純粋にネガオポだったので勝てなかった説濃厚です。IR対策なめてた罰ですね。

ちなみにこの時点でブレイク失敗確定だドン。

 

R8

This house prefers a world in which all individuals who have achieved a middle class standard of living choose to pursue the highest level of achievement in their chosen career, rather than a world in which those individuals prioritise day-to-day enjoyment over work.

ポジション:CG

結果:1位いぇーーーーい!!!

感想:OOpoorなどに目を向けないことを願って、①Govのパラダイムだと比較的marginalized people / poorにとっていい、②middle-class以上はそこらへんケアするobligationあるから正当性もばっちり、って話までざっくりプレパ中に考えていました。ディベートの聞こえ的に社会全体にも目を向けて、ディベートをexpandしたっていう雰囲気をだしつつ、middle以上のobligationあるっていうprincipleをしっかり立てれたことが勝因でした。

 

R9

This House Would not allow out of court settlements for workplace discrimination and harassment.   

ポジション:OG

結果:1

感想:RFDまだちゃんと聞けてないので本当に感想ですが、会社内で示談っていつ起こるんや!?という分析をだして、debateすべきexclusivecaseってここですよねって示せたことによってある程度OppからのHarmの一部をcaseとして消せていたの・・・かな・・・。笑

加えて、OOが実際裁判して負けた場合が一番やばいじゃん!という話をしているのに対して、そういうEvilに立ち向かうこと自体が大事じゃん!という話をGovのパラダイムだとlong termで見たときに多くの人を救えるからという話をしながらしっかり立てることができたのがCGのエクステンションにも負けずに1位をとれた理由なんじゃないかなと思います。

 

4.持って行くべきだな、と思ったもの

 まず、その国の言語の翻訳アプリ(オフラインで使用できるもの)ははじめからインストールしていって損はないかと思います!パートナーまっちがスペイン語を履修してくれていたため、水を頼むときの「水はアクアっていうんすよ~」、日本人です!っていいたいときの「ハポネ!」などのどや顔をたくさん見ることはできたんですが、やっぱりホテルの方やお店の方などは英語が通じないことがあるため、初めからアプリを入れておけばよかったかなって思いました!

 また、日本人参加者約5人食中毒になり、トイレにかけこむぴろぴろぴー事件が発生したのですが、そんなとき食べたかった日本食・・・!うどんとかおなかに優しいってことだったし、どんべえとか持っていけばよかった・・・。

 それにちなんで風邪薬・整腸剤・マスクも大事。あと、現地で捨ててこれるやっすい下着を購入しました。現地で捨ててきました。

 

5.一番の思い出

 北田は、ブレイクナイトのときに日中韓ディベーターでダンスしまくったのが思い出でしょうか。ブレイクナイトのダンスの雰囲気は近大のだいごさんのTwitterでチェック。あとは食中毒ですね、元旦ずっと布団の中にいました。観光はほぼ皆無です笑。

 近藤の一番の思い出は、Faneleと遭遇し、会話し、握手し「love to meet you」といわれたこと。Quarter Finalを彼の隣に座り同じ空気を吸いながら観戦できたこと。

 

6.最後にひとこと

 近藤「リスニング力爆上げに尽力します。」

 

 北田「まっちとはじめて大会に出たのが2016の秋Tで、そこからいろいろ大会に出て、もう2人でやっすいネカフェ探しまくったり、カラオケに泊ったり、プレパ練したり、ESUJJapanBPでは結果も出てきて、その締めくくりとしてのWUDCって考えるとよく1年半2人で走ってきたな、と感無量です。でもWUDCでディベートしながらは、1年生のときにいろいろと教えていただいた部内の先輩たちや、加藤さん、みつしさん、会長さん、なべしさん、横山さん、ニックさん、倉内さん、戸塚さん、金川さん他にもたくさんの方々のアドバイスが頭をよぎったり、3年生以降一緒に練習してくださっていた今井さんとのプレパが役に立った瞬間を感じたり、イランのモーションでIR嫌いな私がおえっってならなかったその背景には、ESUJでのマットレクチャーや、一輝から借りた本のまとめや、HKDO2016で内野くんとアサドモーションで1位とった経験や、上土井さんが日ごろからあまり新聞を読まない私に新聞の一面を紹介してくれたことがあったなって感じたり、他にもモーションを見て今まで自分がやった近いモーションを考えると、いろんな人が思い浮かんできて、まっちとの集大成であると同時に、自分の今までの4年間の積み重ね、集大成という感じもしてきて、帰り1人になってから感無量、って感じで泣けてきました笑。これから自分ももっといろいろ吸収しつつ、後輩になんらかの形でこの学びを伝えていけたらなと思いました。」

↑R6のみんなと。

↑メキシコ美味しかった!

↑食中毒時に食べた和食。