久しぶりの更新となってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

QUDSでは先日部内戦を終え、来月の大会、そして年末の部内戦に向けて熱が入っております!

今回は、対面で行われた一年生大会、Icho Cup 2022のブログをブレイクしたれおなくんに書いてもらいました!

是非お読みください!

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皆さんこんにちは!初めまして。

1年生の石塚玲於那です。ラ・サール高校時代にパーラメンタリーディベートをかじっていました。その時はHPDUでブレイクできず、全国の壁の大きさを感じていました。今回のブログでは、僕にとってHPDU以来の全国大会となった第13回銀杏杯について書きます。結構長くなってしまいましたがお時間のあるときに読んでいただけたら光栄です。ちなみに銀杏杯(Icho-cup)とは、8月に東大駒場キャンパスで行われるNA1年生大会です。

 

チームを組んでくれたのは高瀬瞭君。僕がsecondを担当してfirstreplyを瞭君にお願いしていました。実はRACOONというチーム名も含めてpre-Inoue杯と一緒です(pre-Inoue杯では瞭君がブログを書いてくれています)。お互いのアイデアを躊躇することなく言い合える仲なので、プレパがとてもしやすい&楽しいです。今回ブレイクできたのも瞭君とのチームワークが完璧だったからだと思っています!本当に感謝しています。また組もう!笑笑

 

そして僕たちの精神的支柱になったのが、ジャッジとして銀杏杯に参加する、だでぃさんが引率してくれたことです。九大の参加チームはRACOONだけで、他の関東インステと比較したら人数が少なく単純に寂しかったのですが、だでぃさん(だでぃさんは銀杏杯で素晴らしい実績を残しています)がずっと応援してくれている安心感はむっちゃ大きかったです。加えて、だでぃさんのスマホ経由でQUDSの皆さんにもリアルタイムで応援していただきました。これも本当にありがたかったです。

 

前置きが長くなりました。ここからは時系列でまとめたいと思います。

 

8/6 瞭君とJALで羽田へ

どうでもいいですが飛行機好きの僕はエアバスA350に乗れたのでとても嬉しかったです。福岡羽田両空港で展望台を満喫しました。

 

8/7 神保町のサイゼでプレパ練

試合前日ということで緊張感も適度に高まる中、駒場から遠い宿に宿泊する僕たちは神保町で夕飯を笑笑。先週までずっと僕のテストが入っていたこともあり、練習機会をあまり確保できなかったのでプレパ練をすることにしました。たまたまなのですが、love motion を多く練習しました。結果、本番では1回もlove motionは出ませんでした。それでも楽しかったので満足です。あと、瞭君のfirst原稿をプレパのうちに2人で固めた上で、瞭君が相手のfirstのスピーチの内容を僕に回すという方法の確認もしました。これは大学での練習において、2人で中途半端に聞いたことによって、相手のargumentをドロップしたり相手の想定に合わない議論をしたりしてしまったことのあった僕たちを見て、青空さんが紹介してくれた方法です。助かりました。銀杏杯ではdropは無かったんじゃないかな?

 

8/8 予選ラウンド

いよいよ本番。人の多さに驚きましたが、落ち着く間もなく試合が始まります。

 

R1: THW legalize organ transplant for profit.

(gov: THW abolish Active Learning in TUFS VS opp: RACOON)

大会前に瞭君がmotion対策集を作ってくれていて(やはりアカデ出身者のアカデで磨いた勤勉さには感銘を受けます)、ぴったりそれがはまったmotionでした。具体的には(特に貧しく無知な市民において)インフォームドコンセントの欠如が発生するということをincentiveベースで説明しました。もう1つの軸として、ドナーの健康被害もpracticalで立てやすかったので言ってもらいました。瞭君がfirstで大体全部言いたいことを言ってくれたので、良い意味でsecondとして何するか困ったのを覚えています。結局は反論・比較ベースのスピーチをしました。まずは、相手がmodelでガイドラインを設定すると言い、その一点張りで来ていたので、ガイドライン遵守が完全に達成されるという相手の想定にダウトをかけました。そしてオルタナとしてiPS細胞を出したのですが、これはジャッジから現代科学的に厳しいのでは?という判断を下されました。様々な分野の知識を詳細まで蓄えておくことの重要性を改めて実感しましたね。最後にblack marketの議論がありました。僕はプレパ中にそのような試合運びになることを予想していたにも関わらず、black marketの議論に関しては綺麗なワーディングやスピーチ構成ができなかったのでかなり反省しました。しかし、ジャッジがgov有利な解釈をしてくれました。正直助かったとしか言いようがないです。ジャッジの解釈に頼らず確実に勝ちと言えるようなディベートを心がけたいものです。とりま1勝。

 

R2: THW set mandatory retirement age for all politicians.

(gov: RACOON VS opp: 我做的)

自画自賛になってしまいますが、このラウンドは少し覚醒できたような気がします。なんとなく僕は、政治系motion好きですね。毎回比較的多くの考えが浮かびます。ウクライナ問題や安倍元首相の事件のこともあって政治系が出るかなと思っていたらここで出ました。実際このラウンドでのスピーカーポイントが銀杏杯通じて最高でした。早い話、我々govは老人の政治家がどれほど政治において良くないかをひたすら述べます。たとえば忖度や派閥の問題。LGBTQをはじめとするマイノリティーへの理解の問題。これらはメカニズムを丁寧に説明することを意識しました。あと、国会討論中に寝たり秘書に全部の内容を聞いたりしている老議員のイラストも行いました。ジャッジの方がこの時深く頷いてくれたのでとても安心できました。一方でこのラウンドで悩まされたのがコンペアです。相手は老議員の経験や老人意見の反映の重要性を押してくるわけですが、比較軸の設定に困りました。とりあえず反駁として、前者に対しては「経験が固定観念になってしまって政治に悪影響を及ぼすじゃん」「若者の経験を始めさせないといけないじゃん」後者に対しては「選挙に勝ちたいincentiveあるんだから若い議員だって老人の意見反映するじゃん」という内容を話し、一定の評価を得ることができました。それは良かったものの、逆に言うとこの理論の一部ってoppの立場でも老人と若者をそっくりそのまま入れ替えれば成立します。そうさせないために老人と若者の分析を深めて自分たちのユニークネスを強調して比較することが難しかったです。さらに、そもそも「老人の経験」と「若者の新鮮で多様な意見」という両サイドのメインテーマに優劣を付けるのかにも苦戦しました。ジャッジの方に聞いたところ、やはり対立軸を事細かに定め、それぞれの点で相手のベストケースと自分たちのワーストケースを比較して自分たちが勝っていることを示す必要があると教えていただきました。今回やや不十分だったと思うので練習していきたいです。ここまでで2勝。だでぃさんも僕たちもこの途中結果には驚きました笑笑。

 

R3: THW introduce a separate category for female researchers in academic accolades. (e.g. Nobel Prize for women)

(gov: RACOON VS opp: 上京失敗★)

R3は今大会唯一、知り合い対決ラウンドだったので、まずは相手チームのメンバーについて。筑波大学の2人なのですが、僕らと高校時代から面識がありました。ディベート強豪校藤島(福井)と大島(鹿児島)出身の2人。瞭君は藤島とアカデで対決していたそうです。僕もHPDUで藤島の後輩君たちと当たりました。そして大島はなんと言っても僕にとって鹿児島大会の宿敵です。HPDUの前は練習試合も組んでもらいました。HPDUで大島はブレイクしたので今回はリベンジに燃えていたんですが失敗笑笑。ではその試合の内容へ。はっきり言ってmotionの解読作業だけにプレパを費やしました。自分たちのパラダイムが全く想像できない。瞭君のdefを考えることで精一杯でした。2試合終えて疲れた中で、プレパがあっという間に過ぎていくので焦りも感じました。それでもなんとか考え出したargumentが、現在十分な研究機会を与えられていない女性がバイアスのない正当な評価を受けられるようにするというものでした。瞭君のfirstでは女性のrole modelの話もしてもらいました。しかしopp側から、govの世界の方が女性への差別が高まるということを指摘され、圧倒されました。これは女性枠のmotionでよく出る主張ですが、わざわざ女性枠を設けて優遇制度の対象としてしまうとその男女不平等を男性が不満に思うという理論です。これについては相手のイラストが本当に上手かったです。完敗です。他にも僕があまり補強できなかったrole modelについては「男性のrole modelが女性市民にも有効」「女性のrole modelも少数ながら存在」と叩かれました。ジャッジの方曰く、govが勝つには、それでも長期的に男女差別を解消できることとそのインパクトを強く示す必要があったということです。純粋にディベート力で負けました。悔しい面もありますが、総じて学びが大きかったラウンドでした。次につなげたいです。21敗。

 

R4: THBT developing countries should prioritize vocational education over higher education. (gov: RACOON VS opp: blue harbor)

またgovかよ、っていうのがアロケを見た直後の正直な感想です笑笑。意外と、大会を通じて担当サイドに偏りがあることもあるんですかね?このmotiongovならではの権利を行使するためにmodelをある程度ガチガチに決める戦法をとりました。具体的には発展途上国が「発展途上国」と見なされる間はvocational educationを優先して、「発展途上国」ではなくなった時点でhigher educationにも力を入れていくというものです。相手が強調してくるであろうhigher educationの重要性を、否定する方向ではなく「higher educationは大事だけどタイミングが違うだろ」という方向で議論を進めようと考えたのです。この方向性で説明したvocational educationの速効性のメカニズムがある程度評価されてなんとか勝てたのだと推察します。ただ、このラウンドはディベートとしてはあまり質の高いものではなかった気がします。4試合目となり疲れたというのもありますが、相手とかみ合う議論ができていませんでした。相手があまりこちらのmodelを反映していない議論を行った際にeven ifで譲歩することをあまり行わず、model勝ちに賭けてしまった感が否めません。個人的な話ですがこのラウンドがスピーカーポイントを落としてしまった原因となりました。ディベート的体力を付けること。そしていかなる理由があっても建設的で丁寧な議論を心がけることの大切さを学びました。

 

1日目の全試合が終わりました。QUDS3人で、渋谷のスクランブル交差点から見えた、もんじゃ屋さんに入りました。だでぃさんのスマホ画面をみんなで注視してbreaking announcementを待ちます。まずはジャッジブレイク。流石はだでぃさん。危なげなくもちろんブレイク。次にNovice categorySora-cupから仲良くなったHit-Uのチームがブレイクしました。彼らは試合の合間にもよく話してくれましたし、彼らのブレイクを僕たちも心から喜びました。最後にOpen categoryUTDSと渋渋・渋幕(ほんとに高校生?笑)ばっかりじゃん!と半ば諦めかけていた時に9th breaking teamとしてなんとRACOONが発表されました。店内だったのですがあれは大声で叫んじゃいましたね。QUDS全員ブレイクということで喜びを分かち合いながら食べたもんじゃ、非常においしかったです。最高の夜でした。

 

8/9 オープンラウンド

今日どこまで勝ち残れるかが勝負です。

 

Open Oct Final: THBT Twitter does more harm than good.

(gov: WADMAD VS opp: RACOON)

ここに来て超シンプルmotion!!考えられることがたくさんありすぎるせいで、簡単そうである意味難しかったです。先に結論を言います。スプリットのマージン0.5で負けました(2日目なのでぶっちゃけマージンは意味をなさないのですが笑)。相手であるgovvoteしたチェアの方はメカニズムを基準に、我々oppvoteしたパネルの方はインパクトを基準にジャッジされたそうです。すなわち、僕たちはTwitterの良い機能やそれらの重要性は説明できたものの、実際その機能が本当に働くのかまで分析し切れていなかったということです。ただしディベート中に、このmotiongood or harm motionであるからインパクトで比較すべきと一言添えれば良かったようです。このようなディベートならではの戦い方を覚えていくと同時に、そもそもメカニズムでも相手を凌駕できるようになっていきたいです。今回の大会で言うと、相手がフェイクニュースや犯罪の問題について触れた際にTwitterにそれを防ぐファンクションがあると言うだけではなくそれがどのように働きどれほど有効なのかを述べることが不可欠でした。他には、マイノリティーや珍しい難病を抱えている患者にとって匿名のTwitterがどれほど安心できるプラットフォームになり得るのかや、Twitter上でも起こり得る差別をどれほど防げるかまで述べること。これらがとても大事でした。ディベートを行っている最中にその試合の動きを俯瞰して、自分たちがどの点で優れているor劣っているのか、どこのポイントををジャッジが理解できていないかを把握すればより強く効果的な話し方をすることができます。頑張って精進していきます。

 

さて、残念ながらここで僕たちの銀杏杯が終わってしまいました。2人で協力して全力で取り組んできた分、octで散ってしまったのはとても悔しかったです。それでも最初から目指していた初日ブレイクという目標は達成できたので、落ち込みすぎることなくこれからも練習に励みます。いつかは全国大会で優勝したい!

 

さて、ディベートとは関係の無い話までたらたらと書いてしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。この大会で得られた経験を糧にこれからも精一杯ディベートの腕を磨いていきたいです。よろしくお願いします!! No Debate, No Life!笑笑

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れおなくん、ありがとうございました!!

初めての対面大会!羨ましい限りです…!

そしてブレイクおめでとうございます!

 

大会結果

Icho Cup 2022

 

Open Silver 8th Best Speaker

 Reona Ishizuka

 Ryo Takase

 

9th Breaking Team, Oct-Finalist

  RACOON (Ryo Takase, Reona Ishizuka)

 

 

 

 Breaking Adjudicator

 Kazuya Kiura

  

おめでとうございます!

最後に、Icho Cup 2022を運営していただいたコミの皆様、ありがとうございました!